
遺言の“入り口”を私が経験してきた物流設計に当てはめる

遺言をプロジェクトとして捉え直したものの、
いざロードマップを描こうとすると、
最初の一手がどこなのか分からなくなりました。
物流なら必ず見える“最初の3ステップ”が、
遺言では曖昧だった。
その曖昧さに、最初の違和感がありました。
さらに、自分の物流企画の経験を振り返りながら、
“似ているのに、入口だけが見えない” という感覚が強く残りました。
私も最初は“書けば終わり”と思っていた
正直、最初は遺言は“書けば終わり”の単発作業だと思っていました。
書き方を調べて、必要な項目を埋めれば形になる。
そんな軽い認識だったと思います。
しかし工程を考え始めると、
遺言そのものよりも「引き継ぎ」のほうが核になる
という感覚が生まれました。
それはまるで「点で捉えていたが線で捉える必要がある」と感じました。
「遺言を書く」というよりも、
「妻が迷わず動ける状態を作る」ほうが圧倒的に重要だと気づき始めたのです。
そして、私が今まで物流で新規業務を立ち上げてきた時の
“物流設計の流れ”になぞってみる

工程を洗い出そうとしたとき、
自分の中で前提が崩れました。
「遺言状を書くこと」が中心だと思っていたのに、
実際に工程を並べようとすると、
“引き継ぎ”が中心に来る構造 になってしまう。
(※私が今まで経験した新規立ち上げと同じと感じました)
いなくなった直後の流れが自分でも曖昧で、
妻が迷うポイントが多すぎる。
この時点で、
遺言状を中心に置く考え方は完全に崩れました。
優先順位を“妻が迷わない順番”に決めた理由
物流の仕事でも、
属人リスクを潰すのが最優先でした。
遺言でも同じで、
「正しさ」よりも「妻が迷わない順番」を基準にする必要がある。
だから、工程を並べるときも、
法律の順番でも、
専門家の推奨順でもなく、
“妻が迷わない順番”
これを最優先にすることに決めました。
ここで、私が普段使っている物流設計の流れを
今回のプロジェクトに置き換えると、次のようになります。
物流設計から遺言プロジェクトへの置き換え

ここで私が整理した
物流設計から遺言プロジェクトへの各項目の置き換えと
何をすべきか?のやることリストと各項目のポイントをまとめます。
今回項目を洗い出した後、実行計画へ落としていきます。
基本物流設計(全体フロー)
まずはプロジェクトとして全体像の骨組みを作ります。
その後肉付けするイメージです。
| 物流設計 | 遺言プロジェクトへの置き換え | やること |
| 基本物流設計 (全体フロー) | 基本遺言設計 (何がどこにあるか?) | 資産の棚卸し 口座・証券・保険の確認 パスワード・IDの所在 遺言状の完備 遺言書の保管場所 妻が触れる可能性のある情報の整理 |
『何がどこにあるか』の把握工程
作業工程設計
全体像を把握した後、
次は主流となる作業フローを設定します。
| 物流設計 | 遺言プロジェクトへの置き換え | やること |
| 作業工程設計 | 手続き工程設計 (手続きの流れ) | 亡くなった直後の流れ 誰が何を判断するか どこに届け出るか どの書類が必要か 妻が迷うポイントの洗い出し 妻への引き継ぎ |
『手続きの流れ』の設計
要員・車両(自分でやるか専門家が必要か?)
設定した作業フローに対して
何人体制?後私の場合は物流ですので必要車両(設備)の設定が必要です。
我が家の場合は妻一人なので
妻が自分でやるべきことか?専門家にやってもらうか?の観点で考えました。
| 物流設計 | 遺言プロジェクトへの置き換え | やること |
| 要員・車両 | 人員・専門家 (誰がやるか?) | 妻ができること 妻ができないこと 専門家に任せる部分 遺言執行者・管財人の設定 |
『誰がやるか』の設計
環境設備
設定した作業フローに対して
何人体制?後私の場合は物流ですので必要車両(設備)の設定が必要です。
我が家の場合は妻一人なので
妻が自分でやるべきことか?専門家にやってもらうか?の観点で考えました。
| 物流設計 | 遺言プロジェクトへの置き換え | やること |
| 環境整備 | 保管・アクセス環境 (迷わず触れる環境) | 遺言書の保管場所 パスワード管理 書類の整理 妻がアクセスできる状態の確保 |
『妻が迷わず触れる環境づくり』の設計
品質
物流設計では品質(サービス)を保つための設計です。
ここでは肝となる遺言状の有効性も抑えておくためのフェーズとしています。
| 物流設計 | 遺言プロジェクトへの置き換え | やること |
| 品質 | 手続きの正確性 (法的担保の確認) | 遺言が法的に有効か 書き方のミスがないか 専門家チェックの必要性 |
『遺言の法的担保』の確認
コスト
新規業務の立ち上げにおいて費用対効果の試算は重要な要素の一つです。
遺言プロジェクトでも同じことが言えます。
| 物流設計 | 遺言プロジェクトへの置き換え | やること |
| コスト | 手続きの費用の把握 (予算の試算) | 遺言作成費用 管財人費用 相続手続きの費用 |
『専門家報酬』の把握
契約
遺言プロジェクトへの変換においてコスト同様に契約の確認も重要項目の一つです。
| 物流設計 | 遺言プロジェクトへの置き換え | やること |
| 契約 | 遺言執行者・管財人との契約 (専門家との契約) | 遺言執行者の契約 管財人の契約 |
『専門家』との契約
最も重要なのは“最初の24時間(初動工程)”と感じました
全体像を把握して重要性を感じたのは「最初の24時間」でした。
まずは “いなくなった直後の最初の工程” からを具体的に想像するところから始めています。
物流設計で言うなればイニシャル(初荷)の「入荷・検品・初期仕分け」にあたる部分。
遺言プロジェクトでは、
- 亡くなった直後に何が起きるのか
- 誰が最初に動くのか
- 妻が最初に迷うポイントはどこか
この“初動工程”を整理することが、最初の一手だと感じたからです。
ここでいう「24時間」とは、時間の厳密さではなく
“初動工程” をどうやって動揺せずにスムーズ動いてもらえるか?ということです。
まとめ
このシリーズにおいて毎回お伝えしておりますが、
どこから始めるかは人それぞれです。
私としては、物流の経験から
『点ではなく線で捉える』こと『初動工程の重要性』を感じました。
もしあなたのいざというとその時に
「どこから手をつければいいのか分からない」
という同じ場所で立ち止まったとき、
是非とも参考になって欲しいです。


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