
「いつか自分の本を出して、世の中に爪痕を残したい」
そう願ってから、気がつけば〝これなら俺でも本が出せる〟と自信を持って一歩踏み出すまでに15年以上の月日が流れていました。20代前半、焦燥感の中でノウハウ本を読み漁っていた私が、30代後半になってようやく手にした「著者」という切符。
しかし、その道のりは決して平坦ではありませんでした。 今回は、私が実際に出版社(日本橋出版)からオファーを勝ち取った「私の企画書」構成を元に、サラリーマンが実力で企画出版を成し遂げた戦略を公開します。
出版の3形態を「お金の流れ」で理解する
「出版しませんか?」企画を公募している出版社からそんな言葉をかけられて〝やったと〟言わんばかりに喜んだのも束の間、実は勧誘だったというケースがあります。夢の出版が叶うと思うとついつい足を踏み入れたくなりますが、多額のお金を払うことにもなりかねません。そこは一旦冷静になる必要があります。
- 自費出版:全額自己負担。プロモーション力は乏しく、自己満足で終わるリスク大。
- 共同出版:費用を折半(と言いつつ著者が大半を負担)。出版社にとってあなたは「著者」ではなく「お客様」です。
- 企画出版:出版社がコストを全額負担し、あなたに印税を払ってでも「出したい」と願う形。
私は③以外はあり得ないと考えています。 実際、私は②の会社にも企画書を送り、返信をもらった出版社が数社ありました。しかし詳しく内容を聞いてみると高級車1台分が買えるほど(数百万円)の見積もりを提示されたことがあります。1社は実際にその出版社に赴きました。そこで近代的なオフィスに、豪華な会議室で、会社概要の営業資料を見せられながら「お客様」として扱われたのを覚えています。私は〝私の夢を実現しますよ商法だな〟とそこで思ってしまいました。共同出版ではお金さえ出せば比較的簡単に出版ができると思います。しかしその代償は全て自分が払うことになるでしょう。
①の自費出版はどうでしょうか?私は就職活動でプロモーションによって一年棒に振っている経験があります。私はある程度の資格と自信を持って就職活動に臨みました。しかしそこで感じたのは〝どんなにいいものであってもプロモーションが乏しければ日の目を見ることはない〟夢であった出版でも同じ経験をしなくてもいいように、自分が世の中で一番いいと信じる原稿であってもプロモーション(持っている販路で本屋においてもらう必要がある)をその道に精通したプロである出版社にしてもらう必要があると考えております。
「メーカー(著者)が作った良いものを、出版社という問屋を介して、読者に届ける」 このビジネスの基本に立ち返るなら、プロである出版社が「リスク(お金)を負って(払って)でも売りたい」と思わない本が、世の中で売れるはずがないと私は思います。そういう意味で出版するなら企画出版しかあり得ないと私は思います。
Xやブログ等、よほどの多くの方の目に触れる場所を持っていてプロモーション活動ができる場合はこの限りではないと思いますが、その方は稀だと思います。
編集者が会いたくなる「攻めの投稿術」

多くの出版社は、Webサイト上で企画の募集(投稿)を受け付けています。漫画家が出版社に持ち込みをするのと同じです。 私が意識したのは、「原稿をある程度の形にしてから企画書を送る」ことでした。
出版社側からすれば、「本当に最後まで書ききれるのか?」が最大の懸念点です。 私は、「すでに7万字弱の原稿があります」という事実を添えて企画書を送りました。この「この人大丈夫か?と思わせない準備」こそが、何者でもない個人の信頼を担保する唯一の武器になります。
私の第一志望はかんき出版さんでした。なぜならかつて簿記3級の試験をかんき出版さんの本のみで勉強して合格しました。その時〝なんてわかりやすい本なんだ!かんき出版すげー〟と印象に残っていたからです。しかしながら単願は難しいと思いますので私は可能性を広げるために複数の出版社の門を叩きました。憧れの出版社へ自分の分身を届ける瞬間は、何度経験しても震えるものです。
企画出版を受け付けている出版社
現在、Web上で企画募集を行っている代表的な出版社をまとめました。自分のジャンルに合う場所を探してみてください。
自由国民社:法律・経済・実用書に強く、Web投稿も可能です。
日本橋出版:私がオファーをいただいた出版社。幅広いジャンルで「著者」を探しています。
かんき出版:実用書・ビジネス書の老舗。Webからの企画投稿を常時受け付けています。
ダイヤモンド社:ビジネス書の最高峰。非常に狭き門ですが、企画募集の窓口があります。
サンマーク出版:「100万部」を狙う情熱的な企画を求めています。
実録!出版を引き寄せた「最強の企画書」7項目

私が実際に日本橋出版からオファーをいただいた企画書には、以下の項目を盛り込みました。
- タイトル案:一目で「誰がどうなれるか」がわかるもの。 (私の場合は企画書に書いたタイトルがほぼ出版のタイトルです。それだけ具体的に想定していました。)
- 本書の内容:「なぜ今、この本が必要か」「なぜこの本を出版する必要があるか」を言語化します。
- 著者プロフィール:自分の経歴(就職の履歴書程度の最終学歴(どこ学校卒か?)、どこ企業に就職しているかなど)と、それに加えてテーマをリンクさせ「なぜ私が書くのか」の根拠を示しました。
- 企画意図:なぜその本を書くのか?私の場合は自分が困った経験(情報がなかったこと)を原動力にしたことを伝えました。
- 読者ターゲット:市場規模を数字で示しました。(web情報でも裏付け根拠として調査結果も書いております。)
- 構成案:序章から終章まで。編集者が本の厚みと流れをイメージできる目次を想定して伝えました。
- 独自性(エッジ):さらにPRとして類書がないことを強調しました。自分想いとしての切り口を提示しました。
【そのまま使える】出版企画書ブランクフォーム
あなたが今すぐ企画を練り直せるよう、私の企画書をベースにしたテンプレートを用意しました。
出版企画書テンプレート
- 【タイトル案】 (読者が思わず手に取る、インパクトのある仮題を)
- 【本書の内容・概要】 (既存の本との違いは何か? どんな悩みを解決するのか?)
- 【著者プロフィール】 (あなたの歩んできた「わだち」を、本の内容に繋げて書く)
- 【企画意図】 (なぜこの本を世に出したいのか。あなたの熱量をぶつける)
- 【ターゲット読者】 (メインとサブ、それぞれ具体的に。市場規模のデータがあれば尚良し)
- 【構成案(目次)】 (第1章から結びまで。各章のポイントを数行で添える)
ついに〝我が子〟が認められた日
就職活動と同じで、webで複数の出版社に投稿したものの返事が来るのは共同出版の出版社のみだった時期がありました。「こんなに良いものを作ったのに、誰にも認められないのではないか。共同出版で出すしかないのか?」という不安に押しつぶされそうになる夜もありました。
そんな中、日本橋出版さんから「企画出版」としてのオファーをいただいた時、子供がいない私は表現が合っているかわかりませんが「私が育てたわが子が社会に認められた」ような、震えるほどの喜びを感じました。
もちろん、そこはゴールではなくスタートです。しかし、企画書という名の招待状を書かなければ、その舞台に立つことすらできません。
私は「誰でも一冊の本が書ける」と信じています。なぜならあなたが苦労して築いた「わだち」は後ろからくる後輩たちはその道を辿ることができるからです。あなたも出版することが決して他人事ではなく、あなたの経験を企画書に落とし込んでみてはいかがでしょうか?
次回の予告
次回は、いよいよ**「出版決定後の泥臭い調整と執筆のリアル」**をお届けします。 夢が形になるまでの修正の嵐、孤独な戦い。その裏側をすべてお見せします。


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