
昇進と異動に揺れた30代前半—自分だけ乗り遅れを感じた日々

30代前半、周囲の同期が次々と係長へと昇進していく中、自分は同期の中でも一、二を争うくらい遅い昇進でした。
「会社の中での自分の順位って、この程度なんだな」と落胆したのを今でも覚えています。
努力しても結果が出ない、頑張っているつもりでも評価されない。そんな現実を突きつけられると、心のどこかに“自分には価値がないのかもしれない。頑張ってきたのに”と言いたくなります。
さらに追い打ちをかけるように、毎日のように上司から怒鳴られる日々でもありました。
そんな中、私はある日日突然「異動を命じる」と告げられたのも事実です。
その時は怒鳴られる日々がなくなるという安堵感もあったが、それ以上に「自分に×がつけられた」というやるせなさが残ったものです。
その時の気持ちは、まさに“敗北”に近かったと思います。
しかし、今となって振り返ればこの異動がターニングポイントだった気がします。
環境が変わったことで、私の視野が少しずつ広がっていったのです。
怒鳴られ続けた日々の中で身についた「耐える力」と「観察する力」は、のちに人との関係性を築くうえで大きな武器になりました。
あの頃の“悔しさ”が、実は“底力”に変わる始まりだったと思います。
他人と比べて落ち込む自分—孤独と劣等感の狭間で

同期が次々と昇進していく中、自分は一担当として、誰でもできるような雑務をこなす毎日。
当時は「自分だけ取り残されている」と感じて、会議や飲み会の場でさえ、肩身の狭さを感じることもありました。
今となっては“雑務”の意味は理解できております。
あの頃やっていた仕事を振り返ってみれば今となれば意味のある仕事だったと思えます。
しかし、当時20代の頃の私はその時、孤独を感じていました。
焦りから考え方が乏しかったのかもしれません。
外食に行けば家族連れやカップルの姿が目に入り、「それに比べて自分は何にもない」と余計なことで胸の奥が締めつけられていました。
あの時の孤独感は、“他人の幸せ”を基準にしてしまっていたからこそ生まれたものだったのかもしれません。
他人と自分を比べることをやめるのは簡単なことではありません。
しかし、少しずつ意識を“昨日の自分”に向けてみると、比べる相手が他人から自分自身に変わっていくこともあります。
そこから、私は“焦り”が“成長のバロメーター”に変わっていった気がします。
“何者でもない自分”への不安—それでも、前に進む理由

将来、「橋にも棒にもかからない自分」になってしまうのではないかという不安がいつも頭の片隅にありました。
同期が次々と昇進する中、自分はいつまでも“ただの担当”。
会社の名刺に“〇〇(役職)”と書かれる日は永遠に来ないのではないかと思った時、
絶望に似た感情に包まれました。だけど、ある日ふと気づいたんです。
“何者でもない”ということは、“何にでもなれる”。
会社の中での肩書きがすべてではなく、“自分という人間”として積み上げてきたことが確かに存在している。
少しずつそう考えられるようになった時、心の中に小さな光が差し込んだような気がしました。。
努力と挫折の繰り返し—無駄に見えたことが、糧になっていた
上司に毎日のように怒鳴られていた時期、「このままじゃいけない」と思っていろんなことを試した時期でもありました。
独立できる資格を目指して簿記1級を受験したけど難しくて不合格。
通信教育代を無駄にしてしまい、深く落ち込みました。
次に勉強自体のの効率を上げようとスピードラーニングや速読を試しても、結局どれも中途半端で身付いたものはありません。
それでも諦めきれずに図書館に通い、自己啓発や仕事術の本をがむしゃらに毎月30冊読んだ時期でもありました。
今振り返って、結果だけ見れば“どれも失敗”に見えます。
でも、あの経験があったからこそ「続ける力」が養われたと思います。
そして最終的に残ったのは、新入社員の頃から細く長く続けてきた“投資”だけでした。
目に見える成果はすぐには出ませんでした。
だけど、時間をかけて積み上げた小さな経験が、後になって確かな支えになることを、今では実感しています。
“無駄”に見えたことが、“未来の自分を作る材料”だったと思います。
焦りを抱えながらも、自分のペースで生きていく
本来は本業であるサラリーマンの中で勝負できるのが一番理想です。
でも、もしそれが難しいなら、「会社の中だけが人生のステージじゃない」と考えてもいいと思うんです。
私がいつも思っている〝逃げ〟の部分です。
無理にそこで戦い続ける必要はありません。
逃げることは恥ではなく、“自分を守るための選択”でもあると私は思います。
焦りを感じる時期というのは、実は「成長の前触れ」であることが多く、止まっているように見えても、内側では確実に何かが育っているのではないでしょうか?
今の自分にできることを一つずつ積み重ねることが、結局いちばん確実な成長の道になります。
だからこそ、焦りを感じているあなたへぜひとも伝えたい。
その感情は“止まっているサイン”ではなく、私の場合“動き出す準備が整ったサイン”でした。
焦りの中にも、希望の種は必ずある。
それを見つけた瞬間から、必ず人生はまた少しずつ動き出します。私のように!
最後に
成果が見えない時期は、誰にでもあります。焦ってはいけません。
かんしゃくを起こしても何も変わりません。
だけど、その“見えない時間”こそが本当の成長を育てていると私は経験から思います。
焦る気持ちは、あなたが真剣に生きている証拠。
どうかその焦りを、責めるのではなく、優しく抱きしめてあげてほしい。
成長はいつも、静かに、あなたの内側で起きて変化していると私は思います。
コメント