
「隣の席の同僚が、適応障害で明日から休むことになった」
「なんて声をかけるのが正解? 腫れ物に触るような扱いでいいの?」
「正直、残された自分たちの仕事のカバーが不安……」
今、そんな戸惑いを抱えているあなたへ。私は25年のサラリーマン生活で適応障害による休職を経験しました。休職するまでの私は、 「精神的な病気で休むなんて、どこか怠けているんじゃないか」と思っている部分がありました。
しかし、自分がいざ当事者になり、指一本動かせない絶望を味わったとき、その考えは180度変わりました。そして、周囲が見せてくれた「ある対応」に、私は救われ、復職することができました。
この記事では、休職した側が「本当に欲しかった支え」と、逆に「実はきつかったNG行動」を、私の実体験を交えて休職した経験者側の視点で公開します。
もし、隣の席の仲間が動けなくなったら
適応障害は、誰にでも起こりうるいわば「心の骨折」だと思っております。 仲間が突然いなくなる不安は、残された側にとってはものすごく大きいものです。しかし、ここであなたが取る最初の行動が、仲間の回復スピード、そして将来のあなた自身の働きやすさを決めると思っております。
大切なのは、「アドバイス」ではなく「安心」を届けることではないかと経験から感じました。
私の体験:申し訳なさで消えたかったあの日
私が休職を決めた時、脳裏をよぎったのは「みんなに迷惑がかかる。なんて思われるだろう」という恐怖でした。しかし、私の同僚や部下たちは嫌な顔一つせず、「何も心配せずに、まずはゆっくり休んでください」と声をかけてくれました。 その時、私は煙たがられることなく「自分はここにいてもいいんだ」と、深く呼吸ができた気がしました。
【実体験】病気側の私がされて「本当に嬉しかった」3つの神対応
休職者は、自分を「役立たず」だと責め続けています。その呪縛を解いてくれたのは、周囲のこんな対応でした。
「待ってる」より「忘れていいよ」の解放感
「みんな待ってるからね」という言葉は、一見優しい言葉ですが、責任感の強い人には「早く戻らなきゃ」という重圧(プレッシャー)に変わってしまいます。 私が本当に救われたと感じたのは、「仕事のことは一旦完全に忘れて、自分のことだけ考えて」という優しさでした。ちょっとしたニュアンスかもしれませんがこれで私は救われました。
思考停止中の「事務手続きフルサポート」
適応障害のピーク時は、何をするのもおっくうで文字を読むことすら苦痛です。休職するための調整や今後の流れについて、「これとこれだけ書けばOK。あとはこっちでやるから」と、淡々と対応してくれたことが本当に心強くて感謝をしています。知的な作業を肩代わりしてくれることが、最大の「カバー」になると感じました。(この部分は難しい部分かもしれません)
腫れ物に触らない「変わらぬ距離感」
「大丈夫?」と悲痛な顔で聞かれたら、私は平静を装って「大丈夫です」と答えざるを得ませんでした。 復職後、以前の上司から何気ない業務連絡のついでに「そういえば、しばらく休んどったんやね、大丈夫?」と軽く聞かれた時、私は夜、一人で泣きました。病人としてではなく、一人の「人間」として暖かくて柔らかいものに包まれた気がしました。その「普通さ」が、何よりの薬になると感じました。
【要注意】よかれと思ってやってはいけない「地雷行動」
以前の私なら、冗談半分で言っていたかもしれません。でも、今は分かります。これは絶対にNGです。
- 「最近元気ないじゃないか、どうしたんだよ?」という茶化し 本人は必死で元気なフリをしています。その仮面を剥がすような言葉は、本人を追い詰めます。
- 「リフレッシュしなよ」というアドバイス 適応障害の療養は「何もしないこと」が仕事です。旅行や運動を勧めるのは、骨折している人に「マラソンしなよ」と言うのと同じです。
- 「俺の時はこうだった」という経験談 症状は人それぞれです。あなたの正解が、今の相手の正解とは限りません。
【新常識】「AI」を軍師にしよう!(支える側も)
仲間を支える立場にあなたがなった時、聖人君子である必要は決してないと思っております。自分の仕事が増えてイライラしたり、接し方に迷うのは当然です。そんな時こそ、AI(ChatGPT、Gemini、Copilot)を頼ったら良いんじゃないかと思いました。
- 言葉選びのシミュレーション: 「休職中の部下にLINEを送りたいが、重荷にならない文章を考えて」とAIに投げてください。客観的で優しい言葉のテンプレを出してくれます。
- 支える側のメンタルケア: 「仲間のカバーで自分も限界だ」とAIに吐き出してください。一人で抱え込まず、客観的な意見をもらうことで、共倒れを防ぐことができます。
私が休職中、AIに「今は寝るのが仕事です」と言われて救われたように、AIは「感情のない、でも最高に優しい隣人」になってくれます。
【学び】「最高のパフォーマンス」は健やかな精神から生まれる
25年働いてようやく気づいた真理があります。 「役職は墓場に持っていけない。でも、自分という資本(心身)は一生付き合うものだ。〝自分〟という個としてどう生きていくか?」ということです。
部下や同僚の様子がおかしい時、私は今なら自信を持って言えます。 「いい仕事をするために、一回休もっか。休んでも俺たちいるから全然大丈夫」
精神的な不調は「甘え」ではありません。より長く、より自分らしく働くための「戦略的メンテナンス」です。仲間が休める環境を作ることは、いつか自分が休む時に、自分が守られる環境を作ることと同じなのです。
まとめ:優しい連鎖が、あなた自身を守る
いかがでしたでしょうか。 適応障害のシリーズは今回で完結です。 第1回から第4回まで、私が「受診」し「報告」し「休職」し「復職」するまでの全記録を書いてきました。
この第5回は、その経験を休んだ立場から休んだ側として、してくれて嬉しかったことをまとめました。 職場の仲間が休むことになった時、どうかこの記事を思い出してください。
まずはあなた自身が健やかであること。 そして、仲間に「休む許可」を出してあげられる存在であること。
それだけで、職場はもっと優しく、もっと強い場所になります。


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