〜私が失敗から学んだ“伝わるまとめ方”〜

議事メモ = 若い頃は「実況」が目的だと思っていた
社会人になりたての頃、初めて「議事お願いね」と言われたとき、
私は“全部書かなきゃ!”と思っておりました。
一言一句逃さず書き留めようにまるで会議の「実況中継」をしているような状態です。
でも、何本も会議をこなすうちに気づいたんです。
**議事メモの目的は記録ではなく“要約”**だと。
例えば新聞の見出しのように、読む人が一瞬で全体像をつかめる。
それが使える“議事メモ”だと理解しました。
やりすぎ議事録の地獄とは?

当時の私は会議の内容そっちのけでとにかくメモをとっていました。
“メモが追いつかないのでボイスレコーダーで録音して後で一から文字起こしした方がいいんじゃないか?”と思ったぐらいです。
また、“速記を覚えた方がいいのでは”と本気で悩んだ時期もありました。
そんな昔の自分の議事録を見返すと、短編小説のような長文です。
そうなるとどうなるか?
結局、上司からは「時間がない。説明して」と説明するための追加の時間まで発生……。
つまり、「伝えたいのに伝わらない」。
読む人にも書く人にも優しくないメモになっていたんです。
本当の目的は「要点を残す」こと

議事メモをとる前にまずは、会議の目的を知る必要があります。
「何を決める会議なのか?」を理解していないと、何を残すべきか(省けるか)も定まりません。
一つの会議を例に取ってみましょう。「収益拡大会議」があったとします。
※ 赤字が続いており、黒字化のために何ができるかを議論する会議です。
課長:「収益確保のための施策を出してほしい」
担当A:「原価を抑える必要があります。無駄な原価を省きましょう」
担当B:「販売拡大すれば収益確保につながります。営業を強化しましょう」
担当C:「顧客拡大すると人手が足りなくなります。現状でも有休が取れていません」
課長:「現状を踏まえ、まずは原価削減の方向性で進めましょう。次回までに各担当で原価を洗い出し、削減効果を試算しておいてください」
かつての私のように上の全ての会話を書けば確かに会議の内容は一から十まで分かります。
でも、読む人にとっては長く、重い。
ただでさえ読む時間のない読み手は文字だらけの資料を後回しにしてしまいます。
私が今この会議を議事メモにするなら、こう書きます👇
課長:収益確保のためには販売拡大と原価削減の考え方があるが、現状の人手不足を鑑み原価削減で進める。各担当は原価の洗い出しと削減効果を次回までに報告。
これで十分です。
重要なのは「誰が」「何を」「どう決めたか」、そして「次に何をするか」。
この4点さえ押さえておけば、会議の本質は伝わります。
私の議事メモ例
👉 「誰が」「何を」「どう決めたか」「次に何をすべきか」
私の場合、上記のような会議では下記のようにまとめます。
実際に使っているフォーマット例がこちらです。
非常に簡単ですが凝ったも使用する必要はなくこの程度で十分です。

ポイント:
- ①〜⑤を埋めるだけで、5W1H(いつ・どこで・誰が・何を・なぜ・どうやって)が整理できる
- 重要なのは「決定事項」と「次回までの宿題」が明確になること
- 議事録ではなく、“会議の地図”をつくる意識が大事
私はさらに会議前に日時や会議場所など埋めれるところは埋めております。
最終的に加筆修正後に決裁者に承認を得られることができれば配信が可能です。
次回の会議の冒頭にこの一枚を出して「前回の振り返り」として使用することもできます。
「もう?」と上司がウナる瞬間

私は議事メモは当日に提出するようにしています。
そうすると、周りの方は「もうできたの?」と一目置いてくれます。
そして内容が要約されていれば、さすがの上司もウナる可能性が十分あります。
スピードと要点
この2つを意識すれば、あなたの議事メモは上司の信頼を得る最短ルートになります。
逆に方向性が違って文句を言うにも、早く言ってもらった方が次のアクションが早く取れるので
お互いのためになります。
まとめ
議事メモは「書くスキル」ではなく「要約の思考力」です。
会議の内容すべてを追うのではなく、
“何を決めて、次にどう動くか”を伝えることが目的
最初は難しくても、数をこなすうちに上司の“ウナりポイント”が見えてきます。
私の場合はコツを掴んでから会議の進行をしながら議事メモ作成までやっています。


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